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相続のお話⑥    相続と税

最終回

相続税が身近に!?

 かつては「お金持ちの税金」と考えられていた相続税ですが、最近は納税対象者がぐっと増えました。それは2015年(平成27年)1月に相続税法が改正され、相続税の基礎控除額が4割も少なくなり、その分、相続税のかかる課税対象額が大きくなってしまったからです。首都圏の便利な場所、


イラストレーション:おがわまさひろ
http://i.fileweb.jp/ogawamasahiro

つまり地価の高いところに住宅を所有していれば、それだけで相続税の対象者になってしまう、そんなことも言われています。
 当社のお客さまでも、自宅やご実家の相続問題などでお困りの方も少なくないようです。当社では従来から、アパート・マンションオーナーさま向けの相続セミナーなども開催してきましたが、その延長で本コーナーでも相続問題の周辺情報をお伝えしてきました。
 「相続は争続」などと言われるように、相続をめぐるトラブルもよく耳にします。歴史的にも、いわゆる「お家騒動」は、この相続がらみで生じることが多いようです。



相続税の意味を考える

 相続税の対象となる財産の範囲は、土地や建物などの不動産、不動産以外の動産(什器や家具など)、現金や預貯金のほか、特許権などの無体財産権など、故人の財産のほぼすべてが対象になります。むしろ、対象とならないものの方が少なく、それは、墓地、仏壇、祭具などの祭祀用財産、国・地方公共団体、特定の公益法人に寄附した財産、生命保険金のうち法定相続人の数 ×500万円に相当する額、死亡退職金のうち法定相続人の数 × 500万円に相当する額…などです。
 相続税の計算や手続きは複雑なので、税理士など専門家に依頼する場合が多いようです。また相続はプラスだけでなく、マイナスも引き継ぐので、借金などマイナスがあれば相続税がゼロに、または軽減されるということで、「相続対策」としてさまざまな提案を行う金融機関や業者もいます。しかし、よく見極めないと無駄な負債をつくることになりかねないので注意が必要です。
 相続とはただ財産を引き継ぐことだけではありません。家や家族に対する考え方は時代とともに変化してきましたが、親から子に引き継がせたいこと、子が親から引き継ぎたいことは、財産だけではないはずです。相続税がかかるかかからないか、財産があるかないか、そういった観点とは別に、わが家はどんなことを引き継ぎ、引き継がせるべきかを考えてみるのも、家族の絆を深めることにつながるかもしれません。

*参考「人物・税の歴史―江戸時代から現代まで」(武田昌輔)/
   「税理士があまり知らない相続紛争と遺産分割調停」(馬渕泰至)ほか



相続税の計算方法 *web限定記事

 我が家でははたして相続税が発生するのか、するとすればいくらか……そのシミュレーションのために計算方法を整理します(実際の申告では税務署や税理士など専門家に相談しましょう)。
 まず、税金のかからない範囲、基礎控除額を計算します。

 基礎控除額=3,000万円+600万円×法定相続人(配偶者と子など)の数

 亡くなった方の財産から借金などの負債と葬式費用を引いた金額が基礎控除額以下の場合には相続税はかかりません。
 土地・建物や預金等の財産から負債を引いたものが正味の遺産額です。生命保険金や死亡退職金の非課税限度額を超えた分も加算します。正味の遺産額から基礎控除額を引いたものが課税遺産総額になります。この額を法定相続分で按分し、それぞれの相続分を下記の早見表にあてはめると、納税すべき相続税がわかります。

■ 相続税の速算表

課税価格 税率 控除額
1,000万円以下 10%
3,000万円以下 15% 50万円
5,000万円以下 20% 200万円
1億円以下 30% 700万円
2億円以下 40% 1,700万円
3億円以下 45% 2,700万円
6億円以下 50% 4,200万円
6億円超 55% 7,200万円


参考:国税庁ホームページ https://www.nta.go.jp/taxanswer/sozoku/souzo32.htm



(執筆・諏訪書房相続研究会)

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