厨房の排水溝がつまるのはなぜ?原因と解消法を解説

飲食店を運営していると、厨房で排水溝が詰まることもあります。排水溝が詰まる原因や解決法を知りたいという人もいるのではないでしょうか。排水溝が詰まる原因を知って、解決方法を把握しておけば排水溝に関して頭を悩ませる必要がなくなります。

そこでこの記事では排水溝が詰まる3つの原因と解消方法についてご紹介します。予防策についても解説していくのでぜひチェックしてみましょう。

厨房の排水溝がつまる原因とは?

厨房の排水溝が詰まる原因は、主に3つあります。「油脂が大量に溜まってしまうこと」「大きなゴミが詰まること」「排水管の傾きが変形して流れ方に異変が起きる」ことです。

排水溝が詰まってしまっていた場合、悪臭や害虫、ネズミなどの発生のリスクが上がります。原因を知っておくことでそのような危険性を回避できるようになるため、飲食店を経営している方は詳細をチェックしておきましょう。

大量の油脂

厨房から大量の油脂が排出されると、排水溝が詰まる原因となります。飲食店によって扱う食品や提供する料理はさまざまですが、油をよく使用するお店だと油脂で排水溝が詰まりやすい傾向にあります。特にラーメン屋や揚げ物店はほかのお店よりも油脂の排出量が多いため注意が必要です。

油脂をたくさん排出するようなお店では、一般的な掃除だけでは限界があります。どうしても除去し切れない油分があり、定期的な清掃を行っていたとしても少量ずつ蓄積していった油が排水管の壁面に固着します。さらに固着した油分が蓄積していくと、排水溝を狭くしていくため、今まで問題ない流水量でも処理できなくなってしまいます。

油脂が原因で排水溝がつまらないようにするためには、定期的な清掃とともに高圧洗浄を使用した掃除も欠かせません。高圧洗浄ならしつこい油汚れや固形化した油も除去することが可能です。どちらも定期的に行うように心がけましょう。

割り箸などの大きなゴミ

割り箸やお手拭きといった大きめのゴミが原因で排水溝が詰まることもあります。飲食店であれば、多少のゴミが排水溝まで流れてしまうことは仕方ないでしょう。多少のゴミであれば、排水溝に流れたとしても詰まることなく処理できます。

しかし、無造作に大量のゴミを流してしまうと排水溝は詰まってしまいます。割り箸やおしぼりの袋といったゴミは、排水が流れていくことを大きく妨げるため詰まりの原因になります。

大きなゴミによる排水溝の詰まりを解消するためには、シンクの場所とゴミ箱の設置位置に工夫が必要です。客席から食器などを片付ける際、大概お皿にあらゆるゴミをのせたままシンクへ運ばれてきます。

既存のゴミ箱の位置がシンク周りやシンクに運ばれていくまでの導線から離れていると、そのまま排水に流してしまうケースが多発します。ゴミ箱がそばにあれば、割り箸や紙ナプキンなど目視できるゴミを先に捨てることが可能です。ゴミ箱が作業導線から離れていると、捨て忘れが起きてもおかしくありません。

大きなゴミが原因で詰まる可能性があれば、ゴミ箱の位置を見直すことから始めましょう。もしくは、手間でも排水溝にゴミが溜まってきていると気がついたら、その都度清掃するとゴミによる詰まりを解消しやすくなります。

地震などによる排水管の傾きの変化

排水管の傾きが変形してしまうと、厨房の排水溝は詰まりやすくなります。排水管は勾配をつけることによって、排水がスムーズに流れるように設計してあります。しかし、その勾配の角度が何らかの原因によって変わってしまうと、普段ならスムーズに流れていた水も流れづらくなってしまいます。

排水管の勾配が変化する原因としては、地震や自然災害、経年劣化による地盤沈下が考えられます。このようなことが原因となり勾配がずれると、厨房からの排水が詰まってしまい、問題が生じて店舗経営にも大きな悪影響与えるでしょう。

万が一、勾配がずれてしまった場合は、従業員で修復するのは難しい作業です。無理をせず、水道業者に依頼して直してもらう必要があります。地震などの災害が起きた際は、混乱が生じて適切な判断が難しくなることも多いため、対処方法を事前に身につけて対処できるようにしておきましょう。

排水溝のつまりを解消する方法とは?

万が一排水溝が詰まってしまった場合に、解消方法を知らないと適切に対処することができません。排水溝は店内に汚水が溢れ出る危険がある部分です。溢れ出る水は汚水なので、適切に清掃しないと臭いが取れなかったり、雑菌が蔓延してさまざまな病気を引き起こしたりします。

また、排水溝はシンクからグリストラップまでの途中にあります。詰まっているところを特定しないと詰まりは解消されず、不衛生な環境が続いてしまいます。詰まりの症状によっては、営業できなくなる場合もあります。早く営業再開できるためにも、解消できる術を身につけておきましょう。この項目では、3つの解消方法をご紹介します。

グリストラップを定期的に清掃する

多くの飲食店は、厨房にグリストラップを設置しています。グリストラップは、厨房からの排水を油脂分とそれ以外に分別して排出できるようにするものです。

しかし掃除を行わずに放置していると、油脂をろ過する機能が落ちて詰まってしまいます。一槽目のバスケット部分、二槽目の油脂をろ過させる部分、三槽目のトラップ管の部分それぞれの部分に溜まったゴミを撤去することで詰まりを解消できます。

もし、グリストラップ内にゴミが詰まっている状態で厨房の水を流すと、行き場がない排水が排水溝に溜まっていきます。そのままグリストラップ内のゴミを除去しなければ、汚水が店内に溢れる危険性があります。

排水溝が詰まり始めたら、グリストラップ内を確認してみましょう。グリストラップの清掃不足が原因であれば、グリストラップを清掃することで解消できます。

業務用のパイプクリーナーを使って油脂などを分解する

大量の油脂が原因で排水溝が詰まっている場合は、業務用のパイプクリーナーを使って分解していく方法が効果的です。

家庭でも使用できるようなパイプクリーナーはドラッグストアやコンビニでも販売しています。しかし強い油汚れには業務用のパイプクリーナーのような強力な薬剤を使用しなければなりません。

インターネット通販をチェックしてみると、水道業者でなくても購入できるような一般向けの業務用パイプクリーナーが販売されています。

ただし業務用パイプクリーナーを使用する際は、マスクとゴーグルの着用が必須です。一般的に販売されている商品とは異なり、強力な薬剤であることを覚えておきましょう。また、強力な薬剤は排水管自体を痛めてしまい、排水管に不具合を与える可能性があるので、充分に注意して使用する必要があります。

掃除していない期間があまりにも長く完全に固まってしまっているような油汚れには、業務用クリーナーが効かないこともあります。パイプクリーナーではどうしようもできない油汚れは高圧洗浄を使用したり、清掃業者に依頼したりすることも検討してみましょう。

ドレンクリーナーを使って清掃する

強めの油汚れには、ドレンクリーナーというアイテムも効果的です。ドレンクリーナーにはワイヤーの先に、油汚れによる詰まりを削り取るための金具が付いています。排水管の内部にドレンクリーナーを挿入し、ボタンを押すと排水管内で先端部分の金具がぐるぐる回り、油汚れを削り落としてくれます。

排水管のサイズによって先端の金具を変更することも可能です。排水管の幅が小さめであれば小さめの金具を使用し、幅が大きい場合は先端が長めの金具を活用できます。さまざまな飲食店の排水管詰まりに対応できることが特徴です。

比較的強力な油汚れに対して効果的であるため、ほかのアイテムでは落ちなかったような汚れや排水管詰まりがあった場合に活用してみるとよいでしょう。

排水溝をつまらせないために気を付けるべきこととは?

飲食店で排水溝を詰まらせないためには、グリストラップの清掃を定期的に行うことが必要です。排水に含まれる油脂分を分離してせき止める働きがグリストラップにはありますが、清掃を行わないとそのろ過機能がなくなってしまいます。

定期的なグリストラップの清掃を行うためには、その重要性を従業員に理解してもらうことが必要です。グリストラップの清掃を怠ることで、悪臭が発生したり害虫が湧き出てきたりします。その結果、自分たちの労働環境が悪化する恐れがあり、お客様にも不衛生で不快な環境になってしまいます。

グリストラップは清掃が大変であるため、しっかり掃除を行うとなると従業員への負担が大きくなります。そのため清掃を怠り、グリストラップの中を詰まらせてしまう傾向にあります。

しかし清掃を怠ることで「お店を営業できなくなる危険性がある」とだけでも理解できていれば抑止力になります。清掃を怠ることで、自分たちの労働環境にも悪影響があるということがわかれば、定期的な清掃も苦ではなくなることでしょう。従業員同士の認識を合わせ、定期的な清掃を行うことが大切です。

グリストラップの仕組みとは?

グリストラップは、厨房からの排水を適切な処理をして下水に流すための排水設備です。排水として流せる物質は、下水道法で厳しく制限しています。そのため飲食店からでる油脂分をそのまま下水に流してしまうと、下水道法違反になってしまう可能性があります。

環境汚染にもつながるリスクがあるため、厨房から出る排水の油脂分をグリストラップでせき止めて適切に処理しましょう。グリストラップの一槽目では、厨房からの排水の中にある残飯や野菜クズといった大きなゴミをキャッチします。水分をそのまま流すため網目状のカゴが設置されています。

大きなゴミを取り除いた後の水分は二槽目へと進みます。二槽目は油脂が水面に浮上して、三槽目へと進まないような仕組みになっていることが特徴です。三槽目では二槽目で取りきれなかった油脂がキャッチできます。この三槽構造で可能な限り、キレイな水のみを下水に排出する仕組みになっています。

グリストラップが原因の排水溝つまりを修復費用とは?

グリストラップの清掃不足で排水溝の詰まりが発生した場合は、自分たちで市販のアイテムを活用することも可能ですが、業者に依頼することもおすすめです。従業員だけでは落とせなかったような汚れや詰まりを解消することもできます。

ただ業者に依頼する場合は、2万円〜5万円の費用がかかります。相場としてはそのくらいですが条件によって上下します。店内の環境や排水溝の詰まり具合によって、必要となる器具や清掃の手間が異なります。ほかにもさまざまな要因で変わる可能性があるため、あくまで目安として覚えておきましょう。

アイエスジーでは、実際に清掃を行う前にまずは見積もりを出してご提案します。見積もりを確認しないと費用がわからず、清掃が完了するまで不安を抱え続けることになります。しかし、アイエスジーでは現場確認を行って見積もりを出すため、想定外の費用がかかる恐れがなく安心して依頼できます。排水溝の詰まりで悩んでいる方は、お気軽にアイエスジーにご相談ください。

厨房の排水溝に適したグレーチング蓋の選び方とは?

厨房の排水溝に設置するグレーチング蓋は、いくつかタイプがあるので選び方が重要です。適切な蓋を選ぶことで、長持ちさせることができたり、詰まり予防にも効果を発揮したりします。以下では、厨房で使用するために最適なグレーチング蓋の選び方をご紹介します。「蓋ならなんでもよい」というわけにはいかないことがわかるでしょう。

素材の選び方

厨房で使用するグレーチング蓋の素材は「ステンレス」が適切です。そのほかにはプラスチックやスチールといった素材がありますが、ステンレスを選ぶようにしましょう。ステンレスであれば排水によるサビの防止につながり、長持ちしやすいためおすすめです。まずは上を歩いても問題がない耐久性がある素材を選びましょう。

形状の選び方

形状に関しては溝の形に合わせて選びましょう。溝蓋タイプ、U字溝タイプ、ます蓋タイプ、かさあげタイプ、ステンレス玄関マットの5種類があるため、店舗に設置している排水溝の形状に合わせて選ぶことが大切です。

また詰まり防止を考えるのであれば「取り外ししやすいか」という点にも注意しながら選ぶようにしましょう。いざというときに従業員だけで取り外しできなければ、何も対処できません。

目の細さの選び方

目の細さは、普通目と細目の2種類ありますが「細目」を選びましょう。細目はゴミなどが排水溝やグリストラップに入ることを防止してくれます。しかし細目だと、中の状態が確認しづらいので流水具合や汚れはグレーチングを上げて確認する必要があります。

滑り防止加工の選び方

厨房内は油汚れによって滑る可能性があります。そのため滑り防止機能がついた蓋を選ぶようにしましょう。ザラザラタイプやイボイボタイプといった、さまざまなタイプがあるため好みのものを選んでみてください。従業員のケガ防止を考えるのも必要なポイントです。

荷重条件の選び方

グレーチングにかかる重さによって、その蓋の荷重条件は異なります。歩道用と車道用とに大きく分かれていますが、厨房内は人が乗って問題ないものであれば充分であるため、歩道用のものを選ぶとよいでしょう。

ただし排水溝の上に機械を置かなければいけない場合は、機械の重さも考慮したタイプを選ぶ必要があります。

メンテナンスを行っていれば清掃業者に頼む必要はない?

厨房の排水が詰まらないようにするためには、定期的なメンテナンスが必要です。特に、グリストラップに関しては清掃を怠ると排水がつまり、害虫発生や悪臭が漂う原因になります。

従業員で定期的に清掃を行うことで、そのようなリスクを防止できる可能性が高くなります。しかし、従業員だけではどうしても落ちない汚れも出てくるものです。素人による清掃には限界があります。

そのため、年に何回かはプロの業者にグリストラップの清掃を依頼しましょう。専用の器具を使用して、普段の清掃では届かないような部分の汚れも除去できます。グリストラップを長期使用するためにも、プロの業者による清掃を定期的に行うことをおすすめします。

アイエスジーでは創業100年以上の実績をもとに、清掃前にしっかりとした見積もりを提示してから作業に移ります。グリストラップの清掃を検討している方は、安心してご依頼ください。

まとめ

ここまで、厨房の排水溝が詰まる原因や対処法について解説してきました。詰まりを防止するためには原因を知り、適切な対処を行うことが大切です。従業員だけで清掃を行うことも必要ですが、年に何回かはプロの業者に依頼することも効果的です。

グリストラップの清掃に関しては、素人のみでは限界があります。ただ、毎月のように業者に依頼すると多大な費用がかかってしまうことも心配です。アイエスジーでは、現地確認を行ってから見積もりを出して作業をします。費用が心配な方でもまずはお気軽にご相談ください。お客様のご予算に合わせてご提案することも可能です。